2018年11月5日月曜日

IFRSの新しいP/L、異常項目の注記を行う?

現在IASBでは損益計算書(P/L)の表示を抜本的に変更する検討を行なっています。従来のP/Lはシンプルすぎてわかりにくいという意見を受けての検討なので、基本的により詳細な表示を目指す方向です。

これまでの審議で検討されてきたことをまとめると、以下のようなP/L表示が想定されています。主な改訂事項は、投資カテゴリーの新設、EBITの表示、経営者業績指標の導入で、今のところ、これらすべてが採用される前提で審議が進められています。




2018年9月のIASB会議では、さらに「異常項目」の開示も検討されています。会議では「通例ではない項目」または「頻度が低い項目」の表示について取り上げられました。IFRSでは異常項目の表示が禁止されていることはご存知の方が多いと思いますが、IAS1号「財務諸表の表示」にそのような規定があるのは、異常項目は経営者の恣意性が入り込む余地が多く、濫用される危険性が高いと考えられてきたからです。

その問題は今も解決が困難であるという否定的な意見は会議でも多く述べられていました。何が非経常的な損益であるか、長期的に一貫した基準で判断することは不可能という意見に支持が集まっているように見受けられました。しかし一方で、投資からの要求に対して解決を試みることもなく却下すべきではないという意見もあり、最終的には財務諸表の注記に、P/L項目に関連付ける形で別個の開示を行うことで合意されました。

このような開示を行うためには、通例ではない項目または頻度が低い項目が適切に識別されなくてはなりません。項目を識別するための原則主義的なガイダンスが開発される予定となっています。これは従来の考え方を大きく変える方針転換ではないかと思います。今後どのような解決策が提示されるか、とても興味深いところです。


イージフ 野口