2015年7月6日月曜日

概念フレームワーク改訂でかつて消えた言葉が復活

こんにちは。イージフの野口です。現在IFRSの「財務報告に関する概念フレームワーク」の改訂作業が続いており、2015年3月に公開草案が公表されています。近年改訂された新しいIFRSは現行のフレームワークと食い違っている部分があり、新しい基準書の中にある考え方にフレームワークを合わせる、という形で改訂が進められています。


2015年3月の公開草案の論点について興味深い記事がありましたので、今日はその内容をご紹介したいと思います。


記事は「A tale of 'Prudence'」というIASBの理事の方が書かれたものです。Prudenceとは何のことだと思いますか。私は昔学生の時初めて会計を習った時に知った言葉で、その後仕事で会計を扱うようになってからはすっかり忘れていました。


慎重さ、という意味です。会計原則の中には保守主義という考え方があります。予測される将来の事象に備えて、慎重な判断を行うということです。概念的な言葉ではありますが、その考え方自体は実務でも重要です。会計の世界での慎重さとは保守主義の範疇にあるものだと理解できます。


現行の概念フレームワークには実はこの保守主義や慎重さといった言葉が全く出てきません。前回の改訂で意図的に削除されました。保守主義でいつも問題になるのは「過度な」保守主義で、保守主義を明文化すると「過度な」保守主義を助長するかもしれないという懸念があったようです。IASBとしてはフレームワークで削除しても保守主義の考え方は当然のものとして適用されるという意図があったようです。しかし、実際には必ずしもそのように考えられていなかったようです。IFRSでは保守主義の考え方が取り下げられたという解説も散見します。


そのような状況に対処するため、今回の改訂では再度慎重さという言葉が概念フレームワークに復活します。この言葉が消えたりまた出てきたりしていますが、保守主義という考え方は私が学生だった時も今も変わっていませんし、新しい概念フレームワークでも変わりません。いろいろな変化が多いIFRSですが、表面的には文面が変わっても、考え方は変わっていない、ということもあるのです。


イージフ 野口由美子


 


 


 



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