2014年9月26日金曜日

リース資産はオンバランス、は変わらない:リース会計の最新動向

こんにちは。イージフの野口です。


2014年のIFRSの基準開発ではリースが最も大きなトピックの一つです。毎月のようにIASB会議で取り上げられており、その審議の内容は中央経済社の旬刊経理情報で紹介しています。この連載記事は毎月の審議を取り上げているため、リースのように長期に渡って取り上げられているトピックについては全体像をお伝えすることがなかなかできません。そこで、ブログでは最近のリース基準の議論をまとめてみたいと思います。


 


リース基準改訂の最大の目的は、借手がリース資産をオンバランス処理する、ということだと思います。現行の会計基準ではIFRSでも日本基準でも、一定の条件を満たしたリースはオフバランスできます。実際にはこの規定を利用して、オフバランスできるように処理を仕組むということが行われてきており、取引を仕組む機会を与えていることが問題視されていました。


現在は借手がリース資産をオンバランスすること自体は広く受け入れられているように思います。ただし、リース資産をオンバランスすることで会計処理が煩雑になりコストがかかることと、そのことによるメリットのバランスが取れていないとなりません。どのようにオンバランス処理をするのかということにはさまざまな意見があり、審議は難航していました。


IASBは現在単一アプローチという方法を支持しています。この方法では借手は使用権資産とリース負債を認識し、使用権資産の償却と利息の認識を行うという、現行のファイナンス・リースに近い処理のみを行います。一つの処理しかないのでシンプルです。ただし、すべてのリースに単一の処理を適用することは煩雑なので、少額リースの例外規定を設けることが決定されています。具体的にどのように規定されるのかは会議では決まっていませんが、実務上はこの規定が重要になってくると思います。


このリース基準の改訂はFASBとの合同で審議が行われてきており、米国基準とのコンバージェンスを進めることが目標とされていました。


しかし、FASBはIASBの単一アプローチを支持していません。FASBは借手の処理をタイプAとタイプBに分けるアプローチを採用することにしています。この基本的なアプローチが双方で異なってしまっているため、その他の論点においてもIASBとFASBは異なる決定を行っています。双方の隔たりについて歩み寄りがなされる気配はあまり感じられません。リースに関してはコンバージェンスが大きく後退すると思います。


リースの最終基準書はいつ公表されるのか、まだ日程が正式に公表されていません。長い審議期間になっていますが、終わりが近づいてきているのではないかと思います。実際のIASBの会議では、基準書の細かい文言までは議論されないのですが、リースの定義や例外規定がどのように規定されるのかというのは、実務上注目したいところです。最終基準書の公表まで追って、重要なポイントをご紹介していきたいと思います。


イージフ 野口


 



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