2012年8月2日木曜日

IFRSのリース会計改訂は今どうなっているのか

イージフの野口です。久しぶりのブログ更新となりました。

今回はリース会計について、改訂動向を紹介します。リースについては非常に大きな問題が改訂の焦点となっています。審議が長く続いていますが、今年2012年内には再度公開草案が出ることになっています。

何が問題になっているかというと、現在のリースの会計処理はファイナンス・リースとオペレーティング・リースの2つの会計処理があるところです。この2つの使い分けには要件があるものの、実際には企業の恣意性によって会計処理が選ばれているような状態になっています。そこで、この2つの会計処理を廃止し、処理を統一することが目的となっていました。

基本的な考え方は、リース取引をバランスシート上に表します。端的に言えば、従来のオペレーティング・リースの処理のように損益だけを計上するということはできなくなります。

リースの借り手については、原則、リースの利用権が資産として計上されることになります。一方、貸し手については、これまで2つの処理を条件によって使い分けることが提案されており、従来と同じように企業の恣意性が入る余地がありました。そこで現在は、審議の中でも貸し手についても処理を1つに統一される方向で議論されています。

現在、新たに提案されている貸し手の処理は、「債権・残存資産」アプローチと呼ばれている処理です。このアプローチでは、リース開始日にリースする資産をオフバランスし、リース債権と残存資産を計上します。

リース取引が割賦販売と同じ実態で、収益が獲得が確実な場合は、このオフバランスされる資産と、債権、残存資産の合計額の差額が利益となります。一方、リース取引の収益が確実でない場合は、資産と債権の差額を残存資産として一旦計上します。そして、この残存資産がリース期間に渡って毎期増額して利益を計上することになります。増額の方法は、あたかもリースする資産を減価償却していたかのように、残存資産に一定の利回りをかけて計算します。なので、リース期間が終わった時は、残存資産がリース資産の減価償却後の帳簿価額と同じになります。

この方法は、現在のリースの会計処理とは大きく異なるものです。現在適用している会計基準が日本基準であっても、IFRSであっても、大きな影響を受けることになります。日本企業にとって、特に注意が必要なのは投資不動産です。現在の審議では、公正価値で評価されている投資不動産はリース会計の対象外となっています。しかし、日本では投資不動産を公正価値評価しているケースはあまりありませんので、多くの賃貸不動産がリース会計の対象となってしまいます。

リース会計の改訂のインパクトは非常に大きいです。再度公表される予定の公開草案ではこのあたりの論点がどのように提案されることになるのか、注目したいと思います。

イージフ
野口由美子



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