2012年5月9日水曜日

IFRSと日本 これから何が起きるか 1

イージフの野口です。
IFRSを巡るアメリカの動向を紹介したのに続いて、日本の動向を解説していきたいと思います。

日本の動きについては、IFRSの適用を延期した、という去年の報道をご覧になった方が多いと思います。しかし、結局、日本企業のIFRS適用はどうなるのか、ただ延期なのか、それとも取りやめてしまうのか。これまで進められてきたコンバージェンスはどうなるのか、疑問はつきないと思います。

今回は、これまでの経緯を振り返り、今後のどうなっていくのか考えていきたいと思います。

もともと日本ではIFRSを強制適用する方針でした。2009年11月に金融庁から公表された報告(「我が国における国際会計基準の取扱いに関する意見書(中間報告)」)で日本もIFRSを適用することが明らかにされました。これまで日本では日本基準をIFRSに近づけるコンバージェンスをすすめてきていましたが、ここで一気にアドプションする方針に転換したのです。この裏には、前の記事で紹介しましたアメリカでのIFRS適用への動きがあります。この時の発表では、適用のタイミングについては2012年に判断するとしたものの、早ければ2015年の適用を目指し、連結財務諸表にのみIFRSを適用するという連結先行の適用が想定されていました。

その後、この連結先行の考え方は「ダイナミックアプローチ」という名称で具体的な検討がなされていきました。金融庁が中心となり、日本公認会計士協会も金融庁の考え方を支持している中で、適用時期や範囲にしてはいろいろな意見があったものの、IFRSのアドプション、という方針は既定路線であるかのようでした。

この金融庁の方針についてまず異論を唱えたのが、経済産業省だと思います。経済産業省の立場では、上場企業に限らず中小企業を含めた産業の保護が重要です。連結先行でIFRSを適用した場合に、そこからいずれは単体財務諸表にもIFRSを適用することになるのか、非上場企業にもIFRSを適用することになるのか。中小企業にまでIFRSが適用する必要があるのか、懸念が表明されました。

そこで、金融庁と経済産業省とでIFRSを単体財務諸表にまで広げるべきか、そもそも会計制度はどうあるべきかについて、それぞれ見解を出し合っていたのですが、金融庁としてはダイナミックアプローチを堅持し続けていました。そして、最終的な結論が出る前、2011年の東日本大震災が起きました。


ここから大きく状況は変化します。次回、この続きを紹介します。


 


イージフ


野口由美子



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