2012年4月11日水曜日

IFRSとアメリカ これから何が起きるか 1

イージフの野口です。
去年2011年アメリカではIFRS適用の是非についての判断が延期されました。日本においても適用時期を延期するという発表があり、驚かれた方も多かったと思います。

アメリカの判断は日本に大きな影響を与えることになります。判断を延期したということは、アメリカはIFRSに対して消極的になったようにも思えますが、アメリカが本当に消極的になったのかという点については見解が分かれています。アメリカはIFRSとどのように付き合っていくつもりなのでしょうか。今回は、これまでのアメリカの動きを確認し、アメリカのIFRSに対する姿勢を解説します。

そもそも、アメリカがIFRSに深く関わるようになったのは、2002年のノーウォーク合意からになります。ノーウォーク合意というのは、IFRSと米国基準との差異を共同で解消して調和を図り、コンバージェンスを進めるというFASBとIASBとの合意です。その後、2006年にMoU(Memorandum of Understanding)が公表され、継続的なコンバージェンスのスケジュールが示されました。ここで示された項目は11項目ありました。2008年には、そのうちの9項目について、2011年半ばで完了させることが合意されました。

同じ2008年にはSECからも重要な発表がありました。国内企業に対するIFRS の適用、アドプションに関する検討についてロードマップが公表されたのです。そのロードマップではアメリカ国内企業へのIFRSの強制適用の是非を2011年に決定するということになっており、強制適用の意思決定がなされた場合、2014年から段階的に強制適用する方針でした。

2011年は、MoUのコンバージェンスの完了とそれを受けてIFRSの強制適用の是非を判断する重要な年でした。


結局、2011年には何があったか。MoUの9項目すべてのコンバージェンスを完了することができませんでした。FASBとIASB双方の考え方の隔たりは大きく、その調整を行うことに困難が多い上に、会計基準をめぐる関係者が納得できるよう議論を尽くすだけの時間がなかったのだと思います。
未了となった項目は以下のとおりです。
・収益認識
・リース
・負債と資本の区分
・業績報告のうち包括利益以外

収益認識やリースは、多くの企業が影響を受ける特に重要性が高い項目で、しかもこれまでの基準書の考え方を変える抜本的な改訂が予定されていました。ちなみに、これらの項目は現在も改訂作業が続いていおり、今後の動向が注目されています。残りの2項目、負債と資本の区分や業績報告については、緊急性が低い項目として現在のところは審議がストップしています。


FASBとIASBのコンバージェンス作業が目標達成されなかった状況を受けて、アメリカのおこなった判断とは、ただIFRS適用を延期したわけではありません。次回に続きます。


イージフ


野口由美子


 



0 件のコメント:

コメントを投稿