2011年7月5日火曜日

IFRS適用延期を受けた企業会計審議会の議論

イージフの松岡です。


6月30日に開催された企業会計審議会総会での配布資料が公開されました。その中からいくつか気になった点をご紹介したいと思います。
まずは、日本を代表する企業が名を連ねて5月25日付けで提出した「我が国のIFRS対応に関する要望」です。冒頭に次のように述べています。



”我々は国際社会との接点なしには活動はできず、資金調達もグローバルに行われており、会計基準の国際化の必要性については疑う余地は無い。”



当然、この要望書に名を連ねている企業はグローバル展開をしているわけですから、IFRS導入という取り組みそのものを否定しているわけではないのですね。
続いて、最終段落に大臣発言の根拠となった文言がありました。



”具体的手続きとしては、IFRSの適用範囲について、少なくとも、2015年に上場企業一斉の強制適用がないということを早急にアナウンスした上で、金融庁企業会計審議会中間報告を修正するという明確な対応をお願いしたい。”



大臣発言は、まさにここに書かれた要望を完全に応えた形で表明されたわけですね。

次は、経団連が6月29日付けで提出した「IFRSの適用に関する早期検討を求める」です。最後から2段落目に強制適用の範囲について述べられています。



”企業が上場する市場は様々であり、企業の実態も大きく異なることから、強制適用の是非の判断をする上で、その対象範囲を絞り込むための議論を行うことが現実的である。”



現在、外国人投資家の売買比率が6割を超える東証1部については議論の余地がないと思いますが、その他の市場については果たしてIFRS適用がどれだけベネフィットがあるのか検討する必要がありそうです。


いずれにせよ2012年を待たずして本格的な議論が再開しました。結果はどうなるにせよきちんと議論を重ねていく中で、日本にあった日本の国益に資するIFRSへの取り組み方が見出されていくことを願っています。


準備期間が伸びたことは、強制適用での対応を考えていた企業にとって朗報です。しかし、プロジェクトをストップしたり、スタートを遅らせたりして動向を静観するだけでは、せっかく与えられた時間がもったいないです。この時間を利用して、IFRS導入を単なる制度対応ではなく、自社グループのグローバルベースの管理会計インフラとして、またグローバルで業務プロセスの標準化と効率化を実現するきっかけとして取り組むにはどうすればよいかを考えることが望ましいと思います。


 


企業会計審議会総会・企画調整部会合同会議 議事次第


 


松岡 佑三



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