2011年6月20日月曜日

IFRS対応を前向きに取り組もう

イージフの松岡です。


IFRS対応で作業負荷が高い項目として減価償却方法および耐用年数の変更と連結グループの決算期の統一と会計方針の統一がよく取り上げられます。減価償却については、全ての固定資産について使用実態に即した減価償却方法と耐用年数を洗いだしていく作業に大きな負荷がかかります。連結については、全ての子会社・関連会社について決算期と会計方針を統一するために、抜本的な連結決算体制の変更が求められます。


これらはたしかに大変な作業ですが、その作業量に見合った成果は得られないのでしょうか。単にIFRSという制度対応だけの成果しか得られないのでしょうか。IFRS対応のコストベネフィットについて考えてみたいと思います。


減価償却費


日本の会計実務では、長らく税法規定に沿った減価償却費の計算が行われてきました。企業が固定資産の減価償却を考えるにあたっては、税務メリットと事務負担の軽減が念頭にあり、その固定資産の使用実態を反映させるということは考慮されてきませんでした。しかし、財務諸表の目的は企業実態を忠実に表現することであり、その観点からすれば日本基準であっても減価償却費は、資産の使用実態を表して然るべきです。


決算期と会計方針の統一


また、連結グループの決算期の統一、会計方針の統一についても同様に、連結財務諸表の目的は連結グループの経済的実態を忠実に表現することであり、その観点からすれば日本基準であっても決算期と会計方針を統一した財務諸表を連結すべきです。決算期がずれていて会計基準が不統一な財務諸表を連結したところで意味のある数字は出てきません。


実態を表さない数字からは、投資家は投資判断を誤り、経営者は経営判断を誤ります。IFRSへの対応を機に、連結財務諸表はより実態を忠実に表すようになり、その品質が高まります。IFRSへの準備は制度対応という受け身の発想ではモチベーションも高まりませんが、品質を向上させると思えば前向きに取り組めます。


松岡 佑三



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