2011年6月13日月曜日

「東京合意」の達成状況を公表

イージフの松岡です。


6月10日に企業会計基準委員会(ASBJ)と国際会計基準審議会(IASB)は、2007年8月の両者間の覚書である「東京合意」の達成状況について発表しました。


ここで、東京合意とはどういった内容のものであったか、簡単に確認しておきます。


東京合意とは、ASBJとIASBとの間で日本基準とIFRSのコンバージェンスを加速化するために以下の内容について合意したものです。


(1)2008年までの短期コンバージェンスの終了


2005年7月に公表された欧州証券規制当局委員会(CESR)による同等性評価の過程で特定された日本基準とIFRSの間の主要な差異について2008年までに解消すること


 


(2)残りの差異については 2011 年 6 月 30 日までに解消を図ること


 


(3)2011年より後に新たな会計基準が適用となる際に日本において国際的なアプローチが受け入れられるように、緊密に作業を行うこと


 


このうち、(1)については期日までにすべての短期コンバージェンスが完了し、2008年12月に欧州委員会(EC)が、「日本の会計基準は欧州で利用されているIFRSと同等である」とする認定を下したことで目標は達成されました。


今回の報告の主眼は、(2)残りの差異について6月末までに解消が図られたのかどうかという点になります。(2)に含まれる項目は全部で5つあり、セグメント情報に関するマネジメント・アプローチの導入、過年度遡及修正、包括利益の表示の3つについては期日までに完了しましたが、企業結合(ステップ2)と無形資産については、2011年第3四半期に公開草案を公表予定というステータスになっており、遅延しています。


ただ、この2つが遅延したとはいえ、日本基準がIFRSへ歩み寄っていく姿勢は変わりません。以下、ASBJがIASBへの関与を深めている状況を本報告から引用します。



“ASBJは、IASBが日本で開催するラウンドテーブルやアウトリーチへの積極的な協力や、アジア・オセアニア会計基準設定主体グループ(AOSSG)の議長国として、アジア・オセアニア地域における開発中のIFRSに対する意見集約等の活動を通じて、IASBの基準開発に積極的に参画してきた。これらの結果、国際的な会計基準の設定プロセスへの ASBJ の貢献は効果的であり、IASBはASBJの意見も十分に検討した上で基準開発を行ってきている。”



 


また、2011年2月にはIASB初の海外拠点となるアジア・オセアニア地域の支部が東京に置かれることが決定しました。日本としてもIASBに対する影響力を強めていきたいという思いがあるのでしょう。今後も日本の会計基準開発は、IASBの動向を抜きにしては語れません。2012年を目途としたIFRSの強制適用に関する意思決定に向けては、その協力関係を深めていく意向としています。


IASBとしては、早く日本にも強制適用を決定して欲しいが、ASBJとしてはIFRS適用後も日本の影響力をいかに保持していくかが課題です。今後も、両者の協力関係と駆け引きに注目していきたいと思います。


[ASBJ]企業会計基準委員会と国際会計基準審議会が、東京合意における達成状況とより緊密な協力のための計画を発表(第13回会合)


 


松岡 佑三


 



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