2011年3月22日火曜日

会計システムのIFRS対応~複数帳簿と単一帳簿 (その1)

イージフの松岡です。


今回から2回にわたり会計システムのIFRS対応について解説します。


ローカルの個別、IFRSの連結


IFRSが適用されるのはあくまでも連結財務諸表であり、グループ各社の個別財務諸表については会社法や税法の関係から、当面IFRSは適用されず、日本基準により作成されます。また在外子会社についても、日本と同様に個別財務諸表は現地ローカル基準しか認められていないことが少なくありません。


よって、IFRS適用後は、個別財務諸表は日本基準および現地ローカル基準(以下、ローカル基準)により作成し、連結財務諸表は、IFRSにより作成することになります。


会計システムのIFRS対応とは、単にIFRSに対応できるシステムを導入することのみならず、ローカル基準にも対応できるようにすることをいいます。IFRSとローカル基準への対応に関しては、複数帳簿方式と単一帳簿組替方式という2つのパターンに大別することができます。


 

複数帳簿方式


複数帳簿方式は、各社で取引の原始記録を元帳に転記する段階からローカル基準とIFRSの両方で記帳する方式です。ひとつの取引について、ローカル基準での仕訳とIFRSでの仕訳を生成し、それぞれの元帳に転記します。各社は、ローカル基準とIFRSの2つの元帳をもつことになります。


ローカル基準の個別財務諸表を作成する際にはローカル元帳から作成し、IFRSベースの連結財務諸表を作成する際にはIFRS元帳から作成します。元帳の段階から両者が分けられているので、ローカル基準とIFRSで組替えを行う必要がなく、決算時の作業負荷が抑えられ財務諸表を迅速に作成できる点がメリットです。一方、複数元帳に対応した会計システムを導入するには、時間とコストがかかる点がデメリットです。


  


単一帳簿組替方式


単一帳簿組替方式は、各社で従来通りローカル基準で取引の原始記録を元帳に記帳し、連結財務諸表作成に際しては、連結決算手続の中でローカル基準からIFRSへ組み替える方式です。


これは、単体会計システムの改修を必要としないため、システム投資負担と業務プロセスの変更を回避ができる点がメリットです。一方、IFRSベースの連結財務諸表を作成するのにローカル基準からの組み替え作業を必要とするので、連結決算手続きに工数と時間がかかる点がデメリットです。




理想は複数帳簿、現実的には単一帳簿 


今後も毎期継続していくものなので、可能ならばシステム対応してスピーディーに処理できる複数帳簿方式を採用することが理想的ですが、導入のハードルが高いことから、多くの企業にとっては単一帳簿組替方式が現実的な対応方法になると思います。


次回は、上記の2パターンについてさらに掘り下げ、連結決算手続きを親会社と子会社でどのように分担するかについて解説します。


 

松岡 佑三



0 件のコメント:

コメントを投稿