2010年9月21日火曜日

日本に影響を与えるアメリカのIFRS対応

アメリカがIFRSを導入するか、2011年に決定することになっています。この決定は日本の今後の対応にも影響すると考えられ、非常に注目されています(日本のIFRSに関する状況はこちらの記事を参考にしてください)。今回は最近のアメリカでのIFRSを巡る動きについて考えたいと思います。

現在米国会計基準とIFRSは、米国財務会計基準審議会(FASB)と国際会計基準審議会(IASB)がコンバージェンスプロジェクトにを進めています。コンバージェンスが達成されることはアメリカでのIFRS導入の条件となっています。IASBは国際会計基準の発展にはアメリカの参加が不可欠であると考えており、コンバージェンスプロジェクトは絶対達成させなくてはならないところです。

現在のIFRSは世界の多くの国で採用されるようになったとはいえ、まだまだEU諸国の影響を多く受けています。例えば、2008年にIASBが正式な基準書設定の手続を飛ばして、突如基準書の改訂を行なったことがありました。金融商品についての改訂で、売買目的で保有している金融資産について短期で売買する意図がなくなったものは、分類を変更して、時価評価をしないことができるという内容でした。世界的な金融危機を受けて時価評価による多額の損失計上を回避できるという措置だったわけですが、この改訂はEUの強い圧力によるものだったと言われています。

特定の国が強い影響力を持っている状況では高品質で多くの国で受け入れられる会計基準にはなれません。IASBとしてもこのような改訂はやりたくないわけです。EU以外の力のある国がIFRSを導入し、影響力が分散されることが期待されています。

ところが、米国基準とのコンバージェンスプロジェクトは困難が続いています。当然米国基準とIFRSの間に考え方に違いがあります。プロジェクトのスケジュールが遅れがちで、なかなか双方が合意に達することが難しいようです。プロジェクトのスケジュールは見直しがなされ、優先順位をつけて対応していますが、2011年という最終ゴール時点は変わっていません。2011年までIFRSは重要な改訂が続くことになります。

IFRSを巡っては各国のさまざまな利害関係者が議論を戦わせて、成り立っています。理論的な正しさ、も追求されるべきですが、すべてがIFRSの原理原則に従っているとは限りませんし、そもそも原理原則自体さえ修正されていく可能性があると思います。今がIFRSの将来を決める非常に重要な時期なのです。

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