2010年2月16日火曜日

国際会計基準の収益認識が改訂される:製品保証はどう扱う?

国際会計基準と日本の会計基準の特徴的な違いとして
収益認識はトピックとしてよく取り上げられます。

日本の会計基準ではこれまで収益認識について定める会計基準がなく、商慣行などに基づいて売上を計上してきました。
それに対して、国際会計基準では基準書に収益認識の要件が
定められています。
売上を「実現主義」で認識するという考え方は同じなのですが、
国際会計基準の要件に照らすと、
日本基準での売上計上タイミングと違う場合が出てくると考えられています。

しかし、一方で国際会計基準側でも収益認識は見直しがなされています。
国際会計基準審議会(IASB)では去年収益認識に関する討議資料を公表しています。
2010年の第2四半期には公開草案を出し、
2011年には基準書が改訂される予定です。

現在検討されている収益認識とはどのようなものなのでしょうか。

討議資料では「顧客との契約」に注目した収益の認識基準が提案されています。
契約上の履行義務が果たされた時、というのが収益認識のポイントになります。

たとえば、製品保証などで、製品に欠陥があった場合、
欠陥品については交換しなければならないという取引はよくありますが、
このような取引はどう考えるのでしょうか。

製造上欠陥のある製品を交換しなければならない契約であれば、
欠陥品を引き渡しても契約上の義務を履行したことにはなりません。
そこで、
欠陥のある製品を交換することが求められる場合には、企業は、そのような製品に対しては収益を認識しないことになります。

また、
欠陥のある資産を修理することが求められる場合には、企業は、修理によって交換することが必要となる構成要素に対応する部分に対しては、収益を認識しません。

このように製造上の欠陥を保証するものではなく、
製品保証の目的が、製品引渡後に生じた欠陥をカバーするものである場合は、
その保証は独立した履行義務を生じさせると考えて、
別の義務を認識します。
そのため、取引価格の一部を当該履行義務に配分する処理を行ないます。

通常、製造上の欠陥が存在する製品については交換が必要になることが多いと考えられます。
返品や交換については、これまで取引会社間の慣行で対応してきた場合も多く、
はっきりと契約で明記されていないこともあります。
改めて、取引先との契約関係を見直すことから始める必要があるでしょう。

国際会計基準の基準書として確定するのにはまだ時間がありますが、
収益認識の改訂については随時動向を追っていきたいと思います。

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