2009年10月19日月曜日

国際会計基準審議会(IASB)議長から日本へのメッセージ

2009年10月14日、「IFRSで日本の企業経営は大きく変わる」というテーマで

国際会計基準(IFRS)シンポジウムが経団連会館で開催されました。




このシンポジウムにはデイビッド・トゥイーディーIASB議長が講演を行いました。

IASB議長というのは非常に多忙で

��この日も午前と午後に日本で講演をした後に、

ロンドンにとんぼ返りで日本時間で午前3時からのIASB会議に出席するという

スケジュールだったそうです)

日本で講演を聴けるというのはそうあることではありません。




今回の講演で議長は

「IFRS:単一のグローバル会計基準を目指して」というテーマで

IASBが何を目指し、現在どのような状況にあるのか、

そして、IFRS適用の方向性を決定した日本に対するメッセージを述べていました。




その中で興味深かったのは、

日本のIFRS適用にあたってIASBは全面的にサポートをする、

ということを強調していた点です。




IFRSを適用するには解釈を巡って混乱が生じたり、今までの考え方と異なるため戸惑うことがたくさん出てきます。

IASBとしては日本の適用準備に対応する専任のメンバーを用意し、

適用にあたっての様々な問題を解消できるようにサポートするということでした。

また、日本で問題になったことを解決するために

IFRS自体を改訂、新基準書を作成する可能性もあるということを

示唆しました。




議長がわざわざ日本に来て全面的なサポートをするということを

表明したことにどのような意味があったのでしょうか。




IASBとしてはやはりIFRSがグローバルな基準として機能していくには

アメリカと日本の適用が必須なのです。

現状ではどうしてもEUの影響力が大きいということがあります。

IASBとしては他の大国が参加することで、

バランスを取りたいということがあるようです。




また、単一の会計基準として機能するには、

各国で細則を設けたり、一部の基準書を適用しなかったり、という

勝手をやってほしくないということがあります。

日本では細則主義の日本基準に慣れてきているせいもあって、

どうしてもIFRSの実務指針みたいなものが欲しくなってしまいます。

そのような動きはIASBとしては阻止したいのです。

日本版IFRSや、ヨーロッパ版IFRSが次々とできてしまったら

国際会計基準を適用する意味がなくなってしまいます。




日本では実際の適用の準備にあたって、

会計士協会や経団連などが連携し日本固有の問題について議論を行ない、

IASB専任メンバーに相談し、

必要に応じてIASB側に解釈指針等の作成を要求するということを

行なっていくようです。

本来は日本独自に適用指針を用意した方が楽なのでしょうが、

正攻法の手段をとるしかなさそうです。




そして、もう一点、議長は興味深いことを指摘していました。

今までIFRSを導入した国ではどこでも

当初想定しなかったような問題に直面するということです。

予想もしなかったような問題は必ず起きると断言していました。

やはり早い段階からの準備が一番重要なのだそうです。




これは各企業だけの問題ではありません。

IFRSは日本全体が積極的に取り組まなければならない課題なのです。



2 件のコメント:

  1. ��ASBの日本に対する対応に変化はありません。日本が適時に対応していないだけです。
    The objective of the IASB is to promote the use of a single set of high quality global standards. The decision of the ASBJ to join with us to examine the differences between our standards and, where the economic facts are similar, to discuss which of our two methods best reflects economic reality is a major boost for the convergence of accounting standards worldwide. I applaud the decision of the ASBJ to take this historic step.
    http://www2.financialexecutives.org/download/IASB_10_12_04.pdf

    返信削除
  2. コメントありがとうございます。
    AYさんが指摘されているとおりだと思います。
    まさに適時に対応していない、という状況だったわけですが、今後日本はどのような対応が必要だとお考えですか。

    返信削除