2009年9月7日月曜日

国際会計基準を巡る攻防:G20の提言を受けて

日米欧と新興国等20の国と地域が参加する財務相・中央銀行総裁会議(G20)では今年の4月にIASBに対して、国際会計基準の改訂が促進されるよう提言しました。




世界的な金融危機により、財務報告の透明性、説明責任の重要性が増して、国際会計基準の役割はより大切になっています。

その一方で、これも金融危機の影響なのですが、不利な影響を受けることを嫌って国際会計基準に対する反対圧力も強くなり、国際会計基準の改訂がはかどっていない状況です。

規定の重要部分を骨抜きにしたり、政治家が自国の自治権を主張したり、という欧米を中心とする国々の要求が通ってしまっているようです。




特に、金融商品会計に関連する議論ではアメリカなど各国の意見がまとまらない状況です。

主な争点の1つが有価証券等の時価会計です。




現在、有価証券等は




有価証券を売買して値上がり益を得ることを目的とするのか、

満期まで持ち続けて利息を得ることが目的なのか、

株式等を持つことによって経営を支配することが目的なのか、




といった具合に保有する企業の目的によって評価の仕方が変わってきます。

そして、保有目的によっては時価評価しなくてもよいことになります。




この保有目的別の処理も改訂の検討課題になっています。

これまでは時価会計をより幅広く適用する方向で議論が進んできましたが、

今回の金融危機では金融商品の時価評価の結果多額の評価損を計上したために信用危機に拍車をかけたと考える政治家も多く、反対圧力が強く議論が難航しています。




そこでこの国際会計基準の改訂議論の停滞を打破するためにG20から提言が出され、議論を後押しすることになったのです。

とはいえ、各国がG20での合意を受けて動くかは微妙で、

ここでもやはりアメリカの動きが注目されます。

アメリカは国際会計基準の導入を決定したものの、まだ導入時期については明言を避けています。

国際会計基準とは距離を置いていますが、一方、IASBに対する資金の拠出は一番多く、状況を複雑化させているということもあるようです。




そこで日本の対応は、というと

国際会計基準への影響力はほとんどない、

自国への国際会計基準の導入もアメリカのやり方を追随する、

という状態です。

日本国内だけでなく、世界の状況に目を向けないと

企業会計の将来は分からなくなってきていると思います。



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